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■2014/1/19(日) 羆撃ち / 0:50pm



珍しく、読んだ本の事なんぞ。

小学校から中学校まで、実家でアイヌ犬(ラム)を飼っていた。
両親がわざわざ北海道のアイヌ犬協会(みたいなところ)から買った犬だった。
子供ながらに、本場の犬なんだ、すごいな、と思ったけれど、
今思えば、アイヌ犬は近所のペットショップでは売られていなかったから、
ブリーダーから買う以外になかったのだろう。

 「熊狩りに使う犬種なんだよ。」

と母は教えてくれたっけ。
事実、協会の冊子に、数匹のアイヌ犬が2メートルはありそうな巨大な熊を囲む写真が載っていたことを 覚えている。

この本にアイヌ犬(フチ)が登場すると知ったら読まずにはいられないわけで。



 【羆撃ち / 久保 俊治著】

1人で冬山に入って熊を撃つ。まず経験できないノンフィクション。
その厳しさ、恐怖、興奮が、ものの見事に伝わってきて夢中になれる。
著者の飾らない描写ゆえんだと思う。
静寂の中のかすかな笹の音に、つい、こちらまで構えてしまう。
後半はアイヌ犬フチが狩猟にお伴するようになり、
当然ながら変わらずの“厳しさ”の中でも、状況を包む空間の色合いが変わったような気がした。
相棒のよさ、とはこういうものなんだなぁと思う。
引き換えに、今度はフチの安否にハラハラしてしまうのだけれど。

フチは、実家で飼っていたラムとは大違いで、
素晴らしく従順で、かしこくて、とても愛らしい。
別れのシーンを外出先(レストラン)で読んでしまったのは大失敗。
涙が止まらず、ああ、困った。

著者に共感する部分がいくつもあるけれど、一番に“命への責任”に関する語りが心に残る。

 自然の中で生きたものは、全て死をもって、
 生きていた時の価値と意味を発揮できるのではなかろうか。
 自然の命のサイクルを外れて獲物として斃されることとは…。

 斃し方に心を尽くし、
 目の前の斃れた姿の細部までも目に焼き付け、
 決して忘れない。

そういう著者の“獲物の命への責任”は、この本を読んでよかったなーという心地よさを与えてくれる。

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